子どもの健康や成長、学習を巡る社会問題にも取り組んだ。
小児保健クリニック(昭和60〜平成25=1985〜2013年)では、子どもの心身の健康や発達を考える部門として相談業務を行ってきた。自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、学習障害、知的発達障害、言語発達遅滞、ダウン症などの発達に関する相談、情緒・行動面の相談、肥満や低身長などの相談など、毎年約2,500件の相談を受け付け、総計で68,067件となった。
また、開館当初から障害児を対象にした講座を開講し、ひとり一人の成長に合わせた成長の支援を行った。ダウン症の子どもの成長を音楽面から支える「おんがく大好きミュージックパーク ダウン症児のための楽しいリトミック」(昭和61〜平成25=1986〜2013年)は未就学児を中心にしているが、講習を修了し、成長したダウン症児の多くはこどもの城合唱団員として健常児とともに活動を継続している。
太りすぎの小学生を対象にした「健康スポーツ教室〜太りすぎクラス」(昭和60〜平成25=1985〜2013年)では、体育部門のスタッフが運動面から健康な体作りのプログラムを行い、クリニックでは医学や栄養面から指導した。延べ432人が受講し、受講者の8割以上に改善がみられた。この実績から全国の養護教諭、栄養士を対象に研修会を行い、子どもの肥満対策の推進を図った。
手足に障害のある小中学生のための水泳の個人指導を行う「手足の不自由な子どものための水泳」など、継続的な援助を必要とする子どもや家族への支援を行ってきた。グループ活動においては、障害を持つ子どものグループでの利用が全体の3割を超えた。こどもの城の一般活動や講座では障害を持つ子も持たない子も分け隔てなく受け入れてきた。
|